はじめに

「在庫管理 エクセルのファイルが重い」「誰かが上書きして数が合わない」。中小の製造業・卸売業で、いちばんよく聞く悩みです。エクセルが悪いのではなく、在庫管理という業務がエクセルの限界を超えているだけです。

この記事でわかること:

  • 在庫管理をエクセルで続けたときに起きる3つの限界
  • 脱却の手順と、最初に手をつける場所
  • 実際にかかる費用の目安

なぜ在庫管理のエクセルは限界を迎えるのか?

限界の正体は「同時に触れないこと」と「現物と数字がずれること」の2つです。

誰かが開いていると更新できない

在庫管理 エクセルのファイルは、原則1人しか編集できません。倉庫で入出庫が発生しても、事務所で誰かが開いていれば入力が後回しになります。この数十分の遅れが積み重なり、帳簿と現物がずれていきます。

現場がスマホから入力できない

入力のために事務所へ戻る前提の運用は、必ず「あとでまとめて入力」に変わります。まとめ入力は記憶頼みになり、精度が落ちます。

ひとことまとめ:在庫管理のエクセルが破綻する原因は、同時編集ができず、現場のその場で入力できないことにある。

エクセルをやめる手順3ステップ

いきなり全在庫をアプリ化しないでください。動く範囲から段階的に移すのが最短です。

ステップ1:品目を絞る

まず動きの激しい上位2割の品目だけを対象にします。金額ベースで在庫の8割を占めるのは、たいていこの2割です。

ステップ2:入出庫だけをアプリ化する

在庫数は「入庫マイナス出庫」で自動計算させ、人が在庫数を直接触らない設計にします。AppSheetとは、Googleが提供する、プログラミング不要でスマホ用の業務アプリを作れるノーコードツールです。バーコードやQRの読み取りにも標準で対応しています。

ひとことまとめ:在庫データは人が直接書き換えず、入出庫の記録から自動計算する設計にすると数字が合う。

自社の在庫はどこから手をつけるべき?と思った方は、[無料相談はこちら]からどうぞ。

費用はどれくらいかかるのか?

項目目安備考
AppSheetライセンス1人あたり月5〜10ドル前後使う人数分のみ
初期構築(外部委託)30万〜80万円業務範囲と連携先で変動
自社構築0円+工数担当者の学習時間が必要

相模原市の製造業の事例

CREWが支援した相模原市の製造業では、在庫管理の入出庫だけをAppSheetに移し、運用開始から3週間で月18時間の転記作業を削減しました。棚卸しの差異も大きく減っています。ポイントは、最初から全機能を作り込まなかったことです。

ひとことまとめ:在庫管理のアプリ化は、入出庫の記録に絞れば1か月以内に運用を開始できる。

よくある質問

Q1. エクセルのデータはそのまま移行できますか?

A. 移行できます。品目マスタや現在庫の一覧はスプレッドシートに取り込めば、そのままアプリのデータベースとして使えます。ただし1つのセルに複数の情報が入っている表は整理が必要です。

Q2. 現場のスタッフが使えるか不安です。

A. 入力画面をボタン中心にし、選択式で済むよう作れば、スマホが使える方なら数分で覚えられます。文字入力を減らす設計が定着の鍵です。

Q3. 既存の販売管理システムと連携できますか?

A. CSVの取り込み・書き出しを介した連携なら現実的です。API連携は費用が上がるため、まずCSVで運用を回してから検討するのをおすすめします。

まとめ

  • 在庫管理のエクセルは、同時編集と現場入力に弱い
  • 動きの激しい上位2割の品目から移す
  • 入出庫の記録に絞れば1か月で運用開始できる

在庫の数字が合うようになると、発注も棚卸しも一気に楽になります。