はじめに
顧客管理 エクセルの一覧が、営業担当のパソコンに個別に存在している。中小企業でよくある状態です。困るのは、その人が辞めたときではなく、辞める前から会社に情報が蓄積されていないことです。
この記事でわかること:
- 顧客管理をエクセルで持つことで起きる属人化の実害
- 会社に情報を残すための進め方
- 導入時につまずきやすい落とし穴
なぜ顧客管理のエクセルは属人化するのか?
原因は、記録が「本人のためのメモ」になっていて、会社の資産になっていないことです。
ファイルが人ごとに分かれている
同じ会社名が複数のファイルに別々の表記で存在する。誰の情報が最新か分からない。この状態では、名寄せだけで数日かかります。
商談の経緯が残らない
顧客管理 エクセルに残るのは社名と電話番号だけで、「なぜ失注したか」「誰が決裁者か」は個人の記憶の中にあります。これが引き継ぎを不可能にします。
ひとことまとめ:顧客管理の属人化は、名簿がないことではなく、商談の経緯が個人の記憶に留まることで起きる。
会社に情報を残す進め方
高機能な顧客管理システムを入れても、入力されなければ意味がありません。定着を最優先で設計します。
まず入力項目を減らす
最初は「社名・担当者・最終接触日・次のアクション」の4項目で十分です。項目が多いほど入力されなくなります。
入力の場所を営業の動線に置く
訪問直後にスマホから1分で入力できる状態を作ります。AppSheetとは、Googleが提供する、プログラミング不要でスマホ用の業務アプリを作れるノーコードツールです。Google Workspaceのカレンダーやメールと同じ環境で使えるため、営業の動線に乗せやすいのが利点です。
ひとことまとめ:顧客情報は項目を4つまで絞り、訪問直後にスマホから入力できる状態にすると蓄積が始まる。
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導入でつまずく落とし穴
私自身、ここで失敗したことがあります。項目を作り込みすぎたのです。
「全部記録させたい」で失敗した話
ある会社で、経営側の要望どおり15項目の入力欄を用意しました。結果、2週間で誰も入力しなくなりました。作り直して4項目に絞ったところ、入力率は8割を超えました。管理側が欲しい情報と、現場が入力できる情報は違います。
過去データの移行は最小限でよい
全件を綺麗に移そうとすると、そこで力尽きます。直近1年に接触した顧客だけを移し、残りは参照用にアーカイブすれば十分です。
ひとことまとめ:顧客管理の導入は、過去データの完全移行を諦めたほうが早く定着する。
よくある質問
Q1. 顧客管理システムを買うのとどちらがいいですか?
A. 営業プロセスが確立している会社は既製品が向きます。一方、まだ記録の習慣がない会社は、項目を絞った簡易な仕組みから始めるほうが定着します。使わないシステムの月額ほど無駄なものはありません。
Q2. 個人情報の管理面は大丈夫ですか?
A. Google Workspaceの権限設定で、閲覧できる範囲を担当者ごとに制限できます。退職時にアカウントを停止すれば情報が持ち出されない点は、個人のエクセルより安全です。
Q3. 営業が入力してくれるか不安です。
A. 入力しないのは意欲の問題ではなく、入力に手間がかかるからです。選択式と初期値を活用し、1件30秒で終わる設計にすれば状況は変わります。
まとめ
- 顧客管理のエクセルは、商談の経緯が個人に残る点が問題
- 入力項目は4つまで絞る
- 過去データの完全移行は目指さない
顧客情報が会社に残る状態は、そのまま事業の資産価値になります。